今回は、パン酵母の種類とパン酵母の選び方についてです。
パン酵母には生イースト、ドライイースト、インスタントドライイースト、天然酵母など種類があるのでどれを使ってパンを作ったらいいか悩んでしまいますよね。どんな基準でパン酵母を選ぶのでしょうか?
結論
発酵の風味を活かすなら無糖用パン酵母、油脂の風味を活かすなら加糖用パン酵母を使用する。
この記事では、主なパン酵母の種類とパン酵母の選び方を解説します。
まずパン酵母について確認しておきましょう。
主なパン酵母の種類
パン酵母
パン酵母とは、イーストのことです。イーストの働きにより生地の発酵・膨張が起こります。イーストは生地中の糖質を分解してアルコール発酵をします。アルコール発酵により、炭酸ガスとエタノールや有機酸を生成します。その時に生成される炭酸ガスにより膨張し、エタノールや有機酸によりパンの風味が得られます。
生イースト
どんなパンにも使えるイーストです。浸透圧耐性があるのため、砂糖を多く使った生地でもイースト菌がやられないので、菓子パンなどのリッチな生地によく使われます。
ドライイースト
浸透圧耐性が低めの顆粒状のイーストです。発酵時にできる生成物の香りが良いので風味が重要なフランスパンなどのハード系のパンに使われます。使用時には予備発酵が必要です。
インスタントドライイースト
イースト菌の培養液を凍結乾燥させて顆粒状にしたものです。予備発酵の必要はないので直接粉に混ぜて使用できます。無糖用、加糖用など数種類あります。
セミドライイースト
冷凍保存できる顆粒状のイーストです。冷凍耐性があるので生地を冷凍しても発酵力が衰えません。予備発酵の必要はないので直接粉に混ぜて使用できます。無糖用と加糖用があります。
天然酵母
パンを膨らませる酵母です。イーストはパン作りに活躍するイースト菌を培養したものですが、天然酵母は果実などに付着する菌を、良いものも悪いものも含め自然なまま菌を培養したものです。素材によってそれぞれ独特の風味を楽しめます。
パン酵母の選び方
難易度
使いやすさは重要です。生イースト、インスタントドライイースト、セミドライイーストのように直接粉に混ぜて使用するタイプは扱いが簡単です。自家製天然酵母でのパン作りは難易度は高いですが、ホシノ天然酵母や白神こだま酵母のような酵母は安定した酵母なので扱いやすいです。
砂糖の有無
パン生地に砂糖を使用するかどうかによってパン酵母を使い分けます。
砂糖を使用するパンの場合は、生イースト、加糖用インスタントドライイースト、加糖用セミドライイーストを使います。主に油脂の風味を活かすパンを作る時に選びます。浸透圧耐性が高く、砂糖を直接栄養源にして発酵するパンを作るときです。
砂糖を使用しないパンの場合は、どのパン酵母を使用しても大丈夫ですが、ドライイースト、無糖用インスタントドライイースト、無糖用セミドライイースト、天然酵母を使います。主に発酵の風味を活かすパンを作るときに選びます。24度ぐらいの低温でじっくり発酵させることで風味を引き出すパンを作るときです。
少しの砂糖(対粉5%以内)のパンの場合はどのパン酵母を使っても大丈夫です。なるべく無糖用イーストを使用した方がパンの風味が良くなるのでおすすめです。
生地の冷凍
生地を冷凍することで、出来上がりを妥協していることは、認識しておいてください。
生地を捏ねてから1ヶ月ぐらい生地を冷凍する予定があるのならセミドライイーストを使用してください。解凍して使えば安定した発酵をしてくれます。生地を捏ねる日と焼く日を分けることができるので、まとまった時間がなくてもパン作りができるようになります。
生地を捏ねてから2〜3日以内に生地を解凍してパンを焼く場合は、どのパン酵母を使っても一応大丈夫です。セミドライイースト以外は冷凍するとイーストの力は弱まるので、イーストを少しだけ多めにしておくなど対応しておいてください。
パン酵母の保存
顆粒状のイーストは湿気がない状態で冷凍すると長持ちします。使いきれないことが予想される場合は、顆粒状のイーストを選択しましょう。
まとめ
主なパン酵母の種類
- 生イースト
- ドライイースト
- インスタントドライイースト
- セミドライイースト
- 天然酵母
パン酵母の選び方
- 難易度
- 砂糖の有無
- 生地の冷凍
- パン酵母の保存
パン酵母は、目的に合わせて選択でき便利です。パン酵母の特徴を理解してパン作りをもっと楽しんでください。
以上、参考になれば嬉しいです。
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