最近は手軽に作れる捏ねないパン作りが人気です。捏ねないパンのレシピも多く見かけるようになりました。プロの視点からするともうひと手間加えるだけでワンランクアップできるのにもったいないなと感じてしまいます。もうひと手間かけてもいいから美味しいパンを作りたい方に向けて『プロが作る捏ねないパンの作り方のポイント5選』を紹介したいと思います。
結論
プロは捏ねないパンでも自動でしっかり捏ねている。
この記事では、捏ねないパンのレシピの紹介とワンランクアップするためのポイントを5つ挙げて解説します。手捏ねパンの捏ね不足を解消するのにも通じる製法ですので参考にしてみてください。
捏ねないパンのレシピ
今回は一般的な食パン生地のレシピを紹介します。型に入れて焼けば食パンですし、小分けにしてロールパンなども作れます。
ベーカーズパーセント
- 強力粉 100%
- 砂糖 5%
- 塩 2%
- ドライイースト 0.6%
- 水 71%
- 無塩バター 4%
作り方(ざっくり)
- 無塩バターは室温に戻しておく。
- 計量してボウルに全部の材料を入れて一つにまとまるまで混ぜる。
- タッパーウェアかボウルに生地を入れて乾燥しないように蓋などをして冷蔵庫に一晩入れる。
- 生地を分割して、クッキングシートに乗せて焼き上げる。完成。
とても簡単にパン生地を作れます。捏ねないパン魅力的ですね。
捏ねないパンがワンランクアップするポイント5選
ここからは、先ほどのレシピにひと手間かけてランクアップするためのポイントを解説します。
捏ね上げ温度を調整する
混ぜ終わったた時の生地の温度が24℃〜25℃になるようにしてください。冷蔵発酵をするので少し低めの捏ね上げ温度にします。捏ね上げ温度が低すぎると発酵力が弱くなり、膨張力が少ないのであまり摩擦が生じずに捏ね不足になってしまいます。逆に捏ね上げ温度が高すぎると発酵力を使いすぎて焼き上げる時には力不足になってしまいます。捏ね上げ温度
発酵容器の大きさを小さめにする
生地が発酵して膨張する際に摩擦が生じます。この時の摩擦が捏ねる作業と同じ効果があります。摩擦を生じさせるためにはなるべく小さめの容器に入れて狭い中で発酵させることがポイントです。小さすぎる容器を使って膨張した時に、生地が溢れないように注意してください。
パンチを使う
パンチとは、発酵した生地を押さえたり折りたたんだりする工程です。発酵よるパン生地内の炭酸ガスを放出して新たに酸素を取り込みイーストを活性化する役割があります。また緩んだ生地を再度張ることによりグルテン組織を強化します。捏ねる効果を促進させます。
複温させる
冷蔵発酵後に生地温度5℃ぐらいから温度をある程度自然な生地温度20℃前後に戻すことを複音といいます。複温することでイーストの活動が活発になり膨張力が増えて摩擦が生じるようになります。ここでも捏ねずに捏ねの効果を得られます。また窯のびするようになるので出来上がりがふっくら仕上がります。
最終発酵をとる
最終発酵をとることで焼成中に窯のびできる生地になりボリュームが出ます。ボリュームが出るとふっくら仕上がって美味しいパンになります。最終発酵中も摩擦が生じるので捏ねられています。
プロの捏ねないパンレシピ
改善点にマーカー入れてます。
作り方
- 無塩バターは室温に戻しておく。
- 計量してボウルに全部の材料を入れて一つにまとまるまで混ぜる。捏ね上げ温度24℃。
- 20分発酵をとる。パンチをする。20分発酵をとる。パンチをする。
- 小さめのタッパーウェアかボウルに生地を入れて乾燥しないように蓋などをして冷蔵庫に一晩入れる。
- パンチをして複温させる。分割する場合は分割して丸めて複温させる
- 成形して最終発酵をとる。
- 焼成して完成。
まとめ
捏ねないパンがランクアップするポイントをおさえよう
- 捏ね上げ温度を調整する
- 発酵容器を小さめにする
- パンチを使う
- 複温させる
- 最終発酵をとる
捏ねないパンはお手軽なので魅力的な製法です。
それぞれひと手間かけるだけで捏ねないけど捏ねる効果を得られます。ポイントが5つあるので5ランクアップするといえるかもしれません。焼き上がるまでの時間は長くなってしまいますが、大きな労力は増えていないので是非試してみてください。
以上、参考になればうれしいです。
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