発酵について

パンの作り方

今回は、パンの発酵についてまとめました。パンの美味しさは発酵によりもたらされているので一度確認してみてください。

発酵

発酵とは、細菌などの微生物の働きによって物質が分解されることで味や見た目が変わり、人間にとって良い効果が得られた時のことです。悪い効果が得られた場合は腐敗です。

パン作りでの発酵は、イースト菌によって糖質を分解し、炭酸ガスが生成されて生地が膨らむとともに、エタノールや有機酸などの化合物が生成されてパンの風味も加わる状態のことです。

一次発酵

ミキシングが終わった生地を発酵させる工程です。ガス保持力を高めるために、パン生地の表面をツルッと張るようにまとめてボウルや発酵ケースに入れます。
必要に応じて途中でパンチをします。

発酵中の温度と湿度

発酵中はパン生地が膨張する摩擦熱で、パン生地の温度が徐々に上がってきます。発酵温度の目安はフランスパンのようなシンプルなパンの時26℃〜29℃、食パンや菓子パンなどでは28℃〜30℃です。湿度は、生地の表面が乾かないず、水っぽくならないぐらいに保ちます。
特に乾燥は生地へのダメージーが大きいので気をつけます。

パン生地を取り出す

パンチをする時などに発酵したパン生地をボウルや発酵ケースから取り出す時は、入れ物をひっくり返し、生地を傷つけないように生地の重みを利用して取り出します。パン生地になるべく負担がかからないように注意してください。

発酵状態の確認

指の腹で生地を軽く押さえて、その指の跡の状態で発酵の様子を確かめます。押さえた指の跡がそのまま残れば適正発酵です。
何度もパン作りをしていたら見た目で判断できるようになるので、触らずにすみ生地に優しくなれます。

ベンチタイム

分割して丸めた後に行う発酵の時間のことです。丸めによって引き締まったパン生地を成形しやすいように休めるのが目的です。作業台の上で乾燥しないようにして生地の種類や丸めの強さによりますが15分程度休ませます。

最終発酵

成形後のパン生地を焼成前まで発酵させる時間のことです。
食パンや菓子パンなどのソフト系のパンは34℃ぐらいの高めの温度で発酵させます。風味を活かしたいフランスパンなどのシンプルなパンは28℃ぐらいの低めの温度で発酵させます。成形によって引き締まったパン生地を適度に緩め、焼成時にボリュームを出して火通りをよくします。
最終発酵が不十分な場合、焼成時に窯伸びせずにボリュームが出ません。発酵過多な場合は、形が乱れたり、ガス保持力を失い潰れたようなパンになったりします。

まとめ

発酵とはミキシングによって完成したパン生地を適した温度と湿度の条件下で適度に発酵と膨張させる時間のことです。

膨張(ボリューム)

生地の中ではイースト菌(パン酵母)が活発に活動し、糖質を分解してアルコール発酵を行うことで、炭酸ガスを生成します。炭酸ガスをグルテン組織が保持するので、炭酸ガスが増えるとグルテン組織も伸びて、膨張していきます。

発酵(風味)

炭酸ガスを生成すると同時にエタノールや有機酸などの化合物も生成されて、パンの風味に貢献します。

パンの美味しさは、発酵による食感と風味と材料による素材の味のハーモニーから出来上がっているということです。

以上、参考になれば嬉しいです。

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